介護職で人間関係が重要とされる理由

介護サービスの利用者へ質の良い介護を提供するためには、職員間の連携が欠かせません。近年の介護職は医療スタッフとの連携を求められる場面が増えてきています。看護師や保健師、歯科衛生士などと連携する状況は多く、それにより利用者に必要なサービスを迅速に届けられるのです。地域包括ケアシステムの体制が完備されてからは、特に職員間の連携が重視されるようになりました。地域包括ケアシステムの目的は、利用者が自分らしく安心して暮らしていけるようにサポートすることです。そのためには、暮らしやすい雰囲気づくり、良い人間関係などが必須になってきます。職員間の仲が悪くていつも喧嘩したり、怒鳴ったりしているような空間では気持ちが落ち着かないでしょう。リラックスできる空間づくりのためには、まずは健全な人間関係が基盤になるわけです。職員同士の仲が良く、いつも笑いが絶えない職場は利用者に安心感を与えます。

職員間の連携を強化することは、高品質の介護サービスにもつながります。連携が行き届いていなければ、ケアプランの共有が難しくなるのです。例えば、喉に飲食物を詰まらせやすい利用者がいる場合、その情報を全員で共有しなければトラブルに発展する可能性があります。職場の人間関係が劣悪な状態にあると、伝達事項が相手にうまく伝わらなくなる可能性があります。職員間のコミュニケーションを円滑にし、良好な人間関係を築くことが介護の質の向上にもつながるわけです。